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ゆーかのらくがき日記

徒然なるままに、人類には速すぎるブログを書きたいと思います。

箱庭の子供達   7章

移動距離は約 2km だと思う。 4歳の頃の記憶だからさすがに正確さに欠けます。
時計も持ってなかったので、何時間歩いたか判りません。 逆算すると2時間探し回ったぐらいでしょうか?
やっと本当の君に会えるよ! その喜びでこの時、殆ど思考停止状態になっていました。 


もし同姓の人違いだったら・・・ なんて一瞬おもったけど、ここまで来ておいて何もしないわけがありません。
玄関の呼び鈴まで手が届かないので、その辺に落ちていた棒切れで押します。

ピンポ~~ン

中々出てきてくれません。 留守かと思うぐらい、ひっそりとした気配の後に、あの子が出て来てくれました!
嬉しすぎて私の第一声は憶えていません。 多分 「遊びに来たよ!」 だと思います。
女の子は院内に居た時と同じ無口でしたが、少しびっくりと僅かに喜んでくれた様に感じました。
2人は、数ヶ月も無言で遊ぶアイコンタクトを獲得していたので、言葉を交わせなくてもとても楽しく遊べた気がします。 今日からは誰にも虐められる事は無く、心置きなく遊べるのです。 
あんまり楽しくてココに来た目的の 1つを忘れていた頃――

『少し待っていて・・・』

と、受け取れるアイコンタクトをして家に戻っていく少女。 しばらく待っていると・・・
小さな両手に、いっぱいのチョコレートをもって来ました。 でも、その目は――

泣いていました。 

孤児院で、あれだけ虐めにあっても一切、涙を見せなかった彼女が!!
私は何がおきたのか判らずに、おろおろするばかり。 そして、私にそのチョコレートを全部手渡して言いました。

「もう・・・ 会いにこないでください・・・」

それはとても綺麗な声、思っていた通り可愛い声。

とても小さな声だったけど、あまりに予想外なその言葉に私は愕然となりました。
言葉を交わさない日々が長すぎた所為でしょうか、それとも私がまだ幼すぎた所為でしょうか。

泣かせてしまった! 私が初めて泣かせてしまった! いつか声を聴きたいと思い続けていたのは、こんな言葉を聞くためでは無かったのに――

                            ☆

本当は嫌われているんじゃないだろうか? それは私が、少女を虐めから庇いきれないのに
関わったせい・・・
そのせいで私の手が、目が、届かない所では余計に虐めに遭っていたんじゃないか!?
その思いは孤児院に居た時からずっとありました。 庇いきれないなら何もしない方が、少女にとってずっと楽だったのではないか?
その疑問の答えを突きつけられた気がした――

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

箱庭の子供達 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

ブギーポップシリーズにも、優しい=何も知らなくて何もしなければいい、という部分は出てきますが・・・
2009-01-17 Sat 01:08 | URL | ブギー [ 編集]
この頃は、現状を理解する=見えない部分を推理する事だと解っていません。
今でも、答えは言い訳のような気がしてなりません;-;
2009-01-17 Sat 21:15 | URL | Yuka [ 編集]

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